血糖測定器の高需要生産に対応
概要
血糖測定器は、世界的に重要な成長産業のひとつです。この製品分野には、血糖測定用テストストリップとリーダー、および持続血糖モニター(CGM)が含まれます。CGMとしても知られるウェアラブル・グルコース・モニターは、患者が自分の健康状態を即座に把握し、医師が複雑な医学的問題を診断・治療する際に役立つため、患者や医療専門家にとって不可欠なものとなっています。
業界関係者は、今後10年間で、グルコースメーターの需要は毎年10%以上成長すると予測しています。また、CGMに関連する世界的な売上は、2024年の130億ドルから2030年には320億ドルに成長することが予測されています。
人々の高齢化が進み、かつ検査内容が改善されるにつれて、メーカーがより高い需要に対応していくことはますます困難になると思われます。先見性のあるメーカーは、すでに現時点での市場勢力を分析し、CGM販売の機会創出する方法について戦略を練り始めています。
CGM製造に使用される多くの技術の中でも、液剤塗布技術は極めて重要なカギであり、注目に値します。塗布アプリケーションには、テストストリップへの試薬の塗布や、CGM リーダーの部品接着するための接着剤などが含まれます。
高精度な液剤塗布技術は、メーカーがCGM基板やテストストリップの正しい位置に正確な量の液剤を塗布することに役立ちます。これにより液剤の無駄や部品の不良品が減り、歩留まりを向上させることができます。 さらに、これらのソリューションの多くは、手動から半自動、そして全自動の製造プロセスへのスムーズな移行を可能にします。このようなラインナップにより、メーカー各社は市場の状況に応じた、段階的な塗布自動化ソリューションを導入することができます。
使用液剤
一般的に、CGMメーカーは製造工程でシアノアクリレートとUV硬化型接着剤を使用し、部品の潤滑にはシリコーンオイルが使用されます。
UV硬化型接着剤は、接着剤が完全に硬化すると色が変わることで視覚的に確認することができるので、メーカーが好む傾向にあります。さらにUV硬化型接着剤は硬化時間を短縮し、基板上に液剤を正確に塗布することができます。
場合によっては、CGMメーカーは部品を潤滑にする必要があります。このようなニーズには、シリコーンオイルが使用されます。同様に、導電性石油ゼリーをセンサーに塗布する必要がある場合もあります。
従来の血糖ストリップはCGMではありませんが、血糖値を測定するために広く使用されています。これらのストリップは、ストリップ内の化学物質を使用して、血液中のグルコースの量によって色が変わります。ストリップには酵素、補酵素、媒介物質、指示薬が含まれています。 試薬に滴下された血液は、血中グルコースをメーターが読み取り可能な信号に変えます。
ほとんどのCGMユーザーは、血糖ストリップを常備しています。その理由は、CGMの測定値を検証するため、またはCGMが正常に機能しない場合に保護するためです。血糖ストリップは、CGM デバイスとは異なる液剤を使用します。
血糖ストリップの製造には、血液中のグルコースを検出するための化学試薬が必要になります。そのため、メーカーは溶液の粘度や溶媒の特性を幅広く検討する必要があります。液剤にはテトラヒドロフラン、PHF、イソブタノールなどがあげられます。テストストリップのコンジュゲートパッドに塗布する必要がある場合は、独自の化学物質であるケースが多いです。
アプリケーション要件
CGMも従来の血糖測定用ストリップも、厳しく規制された医療機器です。どちらの製品も厳しい品質基準をクリアし、悪条件下でも正確な測定値を提供しなければなりません。
CGMと血糖測定技術の品質基準を満たすために、メーカーは極めて精密で再現性の高い液剤塗布ソリューションを必要としています。アプリケーションの要件には、基板上の特定の場所に均一に微細塗布をするということが含まれます。このようなアプリケーションに求められる塗布サイズの公差は、一般的に非常に小さく、時には±1%という場合もあります。欠陥のあるCGMやテストストリップの潜在的な影響は非常に大きいため、毎回正しい位置に同じ量の液剤を塗布することは、高品質のCGMを生成する上で最も重要な要件となります。
規制監視は、患者が健康上の重大な悪影響を受けるのを防ぐために行われています。これらには以下が含まれます:
- 目の障害(網膜症)
- 糖尿病に関連した足の障害(治療しなければ切断に至ることもある)
- 心臓発作と脳卒中
- 腎臓障害(腎症)
- 神経障害(ニューロパチー)
- 歯周病やその他の口腔内障害
- がんなど関連疾患
もう一つのアプリケーション要件は、高スループットに応えるための高速サイクルタイムがあげられます。液剤塗布システムは、大量生産にも対応できなければなりません。
液剤塗布ソリューション
手動式ディスペンサー
CGMメーカーにとって、ノードソンEFDの手動式液剤塗布ソリューションは投資のエントリーポイントとなります。
Ultimus I液剤ディスペンサー は、CGMメーカーが読み取りデバイス内のセンサーに導電性石油ゼリーを塗布するために使用されています。また、PTFEライニングのディスペンスチップと青いピストンを備えた Ultimus IIディスペンサー も、シアノアクリレート塗布に使用されています。シアノアクリレートの硬化時間が速いことは、魅力的ではありますが、塗布するのが難しい液剤の一つとも言えます。そのため、機械部品が付属するバルブよりも、使い捨てのシリンジを使用した方が良い場合が多いのです。シアノ(瞬間接着剤)を効果的に塗布する方法については、こちらの 記事 をご覧ください。
これらの手動式ソリューションは、CGMメーカーに以下の利点をお届けします:
- オペレーターの負担を軽減
- 手動および自動アプリケーションに対応
- 生産要件に対応
- 液剤の無駄を削減
- ディスペンスログのダウンロードが可能
- 塗布サイクルに関する実用的な情報の取得
- 生産のパターンと、品質に影響する可能性のある問題を検出
半自動式ディスペンサー
CGMの生産ニーズが高まるにつれ、半自動式の液剤塗布ソリューションがより効果的になります。半自動化ソリューションはオペレーターベースですが、より優れた制御、より高い精度、再現性を提供します。これらのシステムは、より大量生産と精密な制御を実現します。
CGMメーカーは、製造のニーズに応じた半自動式液剤吐出ソリューションを構成することができます。実績例としては、卓上型自動塗布装置, PICO Pµlse® XP ジェットバルブ, xQR41 シリーズ MicroDot™ ニードルバルブ, 752V シリーズダイヤフラムバルブ などのディスペンサーがあります。これらのノードソンEFDの塗布ソリューションを組み合わせることで、作業効率の向上と生産時間の短縮を実現しています。
例えば、PICO XPジェットバルブは、インプラント装置の筐体や本体を接着するためのUV硬化型接着剤の吐出に使用されています。ジェットバルブはZ軸移動の必要性をなくすため、液剤を塗布する速度を上げることができるため、大量生産に最適です。
最近、CGMメーカーが血糖値測定器の製造にノードソンEFD自動液剤塗布ソリューションを採用しました。この製造工程では、血糖値測定器の射出成形された2つの部品の側面を接着する必要がありました。さらに、デバイスの回路基板を固定・保護するために、封止することも必要とされていました。
これらの用途に、このメーカーはUV硬化型液剤を選択しました。
血糖値測定器の両側の接着は複雑な作業になります。装置は、射出成形部品の両側にある成形されたレッジで接着します。そのためロボットは、射出成形部品の外形に沿って、狭いレッジに液剤を塗布します。
このCGMメーカーは、その目的を達成するために3軸PROPlusシリーズ自動液剤塗布ロボットを採用しました。このシステムは、優れたX、Y、Z軸の繰り返し精度と、より高い生産量のニーズに対応するために、必要な生産速度を提供しました。また常時、クローズドループフィードバックにより、スループットを向上させるための実用的なデータを得ることができました。
この3軸ロボットには、射出成形部品への液剤塗布に必要な精度と再現性のため、PICO XPジェッティングシステムを搭載しました。0.5nLの微細塗布能力により、血糖値リーダー上に複合円弧や線状に高速で液剤を塗布することで、CGMメーカーは大量生産需要に対応できました。
スプレーバルブは、CGM製造において、小さな部品をシリコーンオイルで潤滑するためにもっとも使用されています。ノードソンEFDの781スプレーバルブは、この用途によく採用されており、バッチ生産用の3軸半自動卓上ロボットに取り付けられています。
カスタムオートメーション(マシンビルダー要件)
年間300,000~500,000個を1個あたり50ドル未満で生産しているメーカーは、カスタムオートメーションの検討をすべきです。この高価値の投資は、メーカーにマルチプロセスアセンブリー能力を拡張するターンキーソリューションを提供します。カスタマイズし、完全に自動化された液剤塗布ソリューションにより、CGMメーカーは、ピックアンドプレース、テスト、プルテストなどの品質保証プロセスを活用することができます。
完全に自動化された液剤塗布ソリューションの主な利点は、大量生産アプリケーションにおけるプロセス時間の短縮があげられます。製品品質の向上と、迅速なセットアップとプログラミングが合わさることで、CGMメーカーは新たな製造の機会を創出することが可能となります。
カスタムオートメーションに使用される一般的なノードソンEFD塗布ソリューションには、ジェットバルブ(非接触式塗布)、ニードルバルブ(接触式塗布)、さらには卓上型ロボットにより制御されるシリンジ式塗布などがあり、これらは液剤の手動式塗布にも使用されています。
インパクト(なぜ液剤塗布が重要なのか)
革新的な液剤塗布ソリューションを採用することで、CGMメーカーは成長する市場を牽引し、生産能力を高めることができます。この技術は、手動と自動の両プロセスで使用可能にとなり、市場における高品質なCGM製造を保証します。
結論
CGMメーカーは、大量生産の需要と厳しい規制要件を満たすニーズのバランスを取る必要があります。成功するためには、血糖モニタリングの需要が増加する中、メーカーは部品を確実に取り付け、試薬を塗布する必要があります。
今後10年間で医療従事者は、さまざまな患者ケアの目的で、多くのCGMデバイスが必要となるでしょう。そのニーズに対応するためにも液剤塗布の機能性と、CGM接着アプリケーションに必要な生産スピード、品質、柔軟性をメーカーにお届けします。
その他のリソース
Precision Fluid Dispensing Systems for Point-of-Care Diagnostic Applications
よくある質問
持続血糖モニター(CGM)とは何ですか?
持続血糖モニター(CGM)は、血糖値に関するデータを提供する医療機器です。CGMは患者や医療従事者にとって重要な技術です。CGMは患者の血糖値を即座にモニタリングし、医師が複雑な医学的問題を診断・治療する際に役立ちます
CGM の製造には、どのような液剤が使用されますか?
CGMの製造に使用される液剤には、シアノアクリレートとUV硬化型があります。部品の潤滑にはシリコーンオイルが使用されます。場合によっては、導電性石油ゼリーがセンサーに塗布されます。
CGMメーカーは、どのような自動液剤塗布装置を使用していますか?
CGMメーカーは、大量の生産ニーズに対応するため、自動液剤塗布ソリューションを選択しています。3軸PROPlusシリーズ自動液剤塗布ロボットが推奨される理由は、X、Y、Z軸の再現性に優れているからです。この自動システムは、大量生産ニーズに対応するために必要なスピードを提供します。
血糖測定用ストリップの製造では、液剤塗布はどのように使用されていますか?
血糖ストリップ製造では、PICO Pµlseジェットシステムのような液剤塗布システムが使用されます。 液剤は非接触塗布されるため、テストストリップの折り曲げや破損を防ぐことができます。血液検査ストリップには、酵素、補酵素、メディエーター、インジケーターなどが含まれています。
液剤塗布は、CGM製造にどのような影響を与えますか?
液剤塗布ソリューションは、CGMメーカーの生産能力向上に貢献します。液体塗布技術は、手動、半自動、自動から選択可能です。これらの技術により、CGM メーカーは高品質の CGM を製造することが可能となります。
血液検査ストリップへの塗布
テストストリップは血糖モニタリングツールとして重要な役割を担っています。テストストリップの製造は、大量かつ高精度なプロセスでもあります。様々な試薬によりテストストリップ用の液剤が構成されています。偽陽性や偽陰性の検査結果を避けるためにも、正確な塗布が必要となります。
メーカーは、生産スピードと塗布精度の要件に応えるため、PICO Pµlseジェッティングシステムを採用しています。 ジェットバルブはセットアップが簡単で、チップを表面に接触させるためのプログラミングも不要です。Z軸の移動をなくすことで塗布プロセスが高速化し、最大1000Hzの連続吐出が可能になります。
液剤はジェッティング方式で非接触に塗布されるため、検査ストリップの折り曲げや破損を防ぎます。
PICO Pµlseシステムは、微細塗布を迅速かつ安定塗布し、生産効率を大幅に改善することで、血液検査ストリップの生産量を増やすことができます。診断用テストストリップのアプリケーションについては、こちらの記事をご覧ください。
アーメド・カーンについて
Ahmed Khanは、ノードソンEFDの精密液剤塗布およびオートメーション部門のグローバル・プロダクト・マネージャーです。顧客に提案とソリューションを提供し、初期システム統合を支援する。Ahmedは、13年にわたる液剤塗布の経験があります。2013年にノードソンEFDに入社し、イギリスを拠点としています。最近の記事
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